サステナビリティ ESG経営:社会 人的資本
人材戦略についての考え方
日本トムソンは創業以来、「企業は人なり」の信念のもと、一人ひとりが安心して挑戦できる環境づくりを大切にしてきました。社員の健康と安全を最優先に、風通しの良い職場環境を育み、社会やお客様の期待を超える新たな価値を創出する――これが私たちの人を軸とした経営です。 一歩先の成長を目指し、2023年に策定した「IKO VISION 2030」では、『人材開発』『適材配置』『多様性』を人事戦略の三本柱と位置づけました。
人材開発̶学びの場と対話の深化
変化の激しい時代にあっても、社員一人ひとりが自らの知識・スキルを磨き続けることが必要です。現行の階層別研修や外部セミナー参加の機会を見直し、eラーニング教材の活用や社内勉強会の開催頻度を高めることで、より多様な学びの場を提供します。加えて、OJTと先輩社員による教育を強化し、日常業務の中での気付きやフィードバックが得られる仕組みづくりを進めます。
適材配置̶データと対話による現状把握
社員の強み・志向を正しく捉えるため、各種資格や研修受講履歴、過去プロジェクトでの役割を人事システムやデータを整理し、定期的な面談やキャリアカウンセリングで活用しています。2025年度は管理方法の効率化を図るツール導入を検討し、部署間での情報共有を強化。感覚値に頼らない客観的データを踏まえた配置決定とフォローアップを徹底します。
多様性̶受容と尊重の環境整備
異なるバックグラウンドや価値観を持つ社員が互いに学び合い、力を発揮できる環境こそが、多様性を真に活かす基盤です。当社の新入社員研修は、4月から7月中旬まで製造現場で研修を実施し、実践的なモノづくりを通じて同期社員間の結束と現場理解を深めています。
人事施策としては、資格制度を見直し、成長段階に応じたキャリアパスを明確化しました。また、女性が主体的に活躍できる職場づくりの一環として懇談会を開催し、多様な視点の交流機会を設けました。更にシニア社員制度を改定し、幅広い世代が持つ経験・知見を活かせる仕組みを強化しています。採用面では、新卒採用では当社の魅力を訴求するために説明会内容を工夫し、キャリア採用では社員紹介採用制度を導入。多面的な採用チャネルで多様な人材の受け皿を拡大し、社員一人ひとりの個性と能力が活きる組織を目指します。

人材開発
人材開発に対する現状
当社グループは高いリテンションを強みとした中長期視点での人材育成を志向しており、『経験に勝る育成は無し』を人材育成の理念に据えて社員一人ひとりが様々な経験を得られるような施策に取り組んでいます。
具体的にはOJTを人材育成の柱とし、誠実、真面目な社風を体現する各職場での一人ひとりに丁寧に寄り添った教育体制により着実な成長を促しています。また、当社の特徴でもある『社会、お客様の課題解決』を最優先事項とする業務特性から、日々の課題克服を通じて成長速度を加速しています。それに加えて、各種の階層別教育を実施することでリーダー層育成に努めるとともに、部門毎での実践的な研修活動も実施しています。
また、社員の『自律性』の観点から自己啓発支援にも注力しています。当社では公的資格の奨励制度を有しているだけでなく、技能検定等の国家資格の取得奨励により毎年多くの資格保有者が誕生することで、社会やお客様の課題を解決できる提案力、技術対応力を培っています。
グローバル人材の育成
これら個別の育成施策を人材マネジメント全体として有機的に連動させることで中長期かつグローバル視点での次世代リーダーの育成・輩出を目指して人材開発機能の強化に取り組んでいます。具体的には、『求める人材像』を定義した上での戦略的人事ローテーション、業務を抜本的に改革し新たな価値を創造できるDX人材の育成に努めています。
それに加えて、2025年度よりグローバル人材育成施策として『グローバル人材交流プログラム』を開始しました。当社グループの国内・海外双方にて公募制の海外短期研修を実施し、様々な経験を通じた育成を行うだけでなく、当社グループ全体としても多様な価値観に触れ合う機会を設けることで協業文化の醸成に努めています。
| 指標 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 階層別研修受講割合[%] | 13.6 | 12.6 | 9.5 |
| 国家資格保有者数[人] | 1,453 | 1,513 | 1,528 |

適材配置
タレントマネジメント
人的資本に関する取り組みとして、社員一人ひとりの能力開発が重要であると同時に、組織機能の最大化や今後の成長領域の強化を意図した人材の配置も重要課題と位置付けています。当社グループには多様な属性の社員がいることから、人材のバランスを踏まえた人材ポートフォリオの構築により組織機能の最大化を図ります。そのためには精緻なタレントマネジメントの実行が必要不可欠と捉えており、将来的なタレントマネジメントの導入を見据えて2025年に統合型人事システムを導入しました。これによりタレントマネジメントの基盤を築くことができるだけでなく、抜本的な業務効率化により戦略的機能の向上を図ります。
人材獲得に対する方針
当社グループは少子高齢化や労働力人口の減少を見据えた人材獲得戦略を重点事項と捉えています。採用方針としては、採用形態、スキル、年齢、性別等の人材ポートフォリオの多様性を意識していますが、その中でも当社の強みである高いリテンションを活かした中長期的な人材育成を志向した新卒採用には力を注いでいます。採用活動においては、求める人材要件との適合と経営理念への共感を強く意識し、双方が「一緒に働きたい」と思える感情マッチングを重視しています。
そして、様々な媒体等を活用した求職者との接触機会創出や選考過程での徹底した相互理解を通じた入社意欲形成による内定後辞退や早期離職の防止に努めることで、企業間での人材獲得競争が激化する中でも安定して人材を獲得しています。今後も当社グループの将来を担う人材の獲得に向けて取り組みを継続していきます。
| 指標 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 自己都合退職率[%] | 2.4 | 2.0 | 1.7 |
| 入社3年目以内の離職率[%] | 4.9 | 3.8 | 11.5 |
多様性
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
当社グループでは多様化する社会ニーズに対応するため『人材の多様性確保』を重要課題として、性別、年齢、国籍、職歴等に関わらずあらゆる人材に対して能力開発の機会を公平に提供することを基本とし、それぞれの働き方に合わせた支援策を講じることで人材の育成に取り組んでいます。特に育児に伴うキャリア断絶の防止には注力しており、育児休業(以下、育休)取得者の所属部署と人事部門で密に連携し、個別の悩みにも可能な限り対応することで育児と仕事の両立を支援しています。
また、2025年度は全女性社員を対象とした『女性懇談会』を実施し、様々な属性の社員が働きやすい環境の整備や社員交流の機会を創出することで、多様なリーダー人材育成に向けた土台づくりに努めました。これらの活動を通じて『女性管理職人数:5倍(2022年3月末比)』『男性社員の育休取得率:85%』を2030年度までの目標として、今後更なる取り組みを進めていきます。
| 指標 | 2023年3月末 | 2024年3月末 | 2025年3月末 |
|---|---|---|---|
| 女性比率[%] | 12.8 | 13.3 | 14.5 |
| 女性監督職比率[%] | 11.9 | 13.1 | 13.2 |
| 女性管理職比率[%] | 1.5 | 1.9 | 2.8 |
| 女性新卒採用比率[%] | 25.8 | 30.8 | 28.6 |
| 女性管理職人数(2022年3月末比) | 2倍 | 3倍 | 4倍 |
| 指標 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 男女間賃金差異(全労働者)[%] | 51.6 | 52.5 | 54.6 |
| 男女間賃金差異(正社員)[%] | 79.4 | 79.8 | 80.6 |
| 男女間賃金差異(非正規)[%] | 70.7 | 66.5 | 64.8 |
| 男性育児休業取得率[%] | 51.9 | 65.5 | 75.0 |

エンゲージメント
当社では多様性に関する人材目標をD&Iに限定せず『国籍・性別・年齢を問わず、価値を認め合う企業風土が醸成され、全社員がやりがいを感じ、変革を求める人材集団』と位置付けており、部門や国籍を超えた協業体制の構築とエンゲージメント向上を目指して取り組みを進捗しています。
特に中長期的目線での人材育成を志向する当社グループにとってエンゲージメントは重要事項と捉えており、その実現には社員が安心して働くことができる環境が必要不可欠と考えています。社員の安心感の醸成にあたり、福利厚生を重要事項と捉えて、住宅関係や食事の補助等、社員満足度を高めるべく、良好な関係を保つ労働組合との協調により各種制度の充実に注力しています。それに加えて、自己申告制度や目標管理制度による面談の実施にて、個人個人の成長意欲の醸成、キャリアプランの実現を通じて、社員のエンゲージメント向上を図っています。これらの取り組みだけでなく今後はエンゲージメント測定を実施し、実情を把握するとともに更なる人材価値、組織力の向上を目指します。
| 指標 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 年次有給休暇取得率[%] | 68.0 | 73.4 | 76.8 |
| 平均残業時間[H:M] | 13:15 | 9:31 | 8:25 |
| 労働災害度数率 | 1.195 | 0.413 | 0.400 |
| 労働災害強度率 | 0.001 | 0.001 | 0.001 |
人的資本に関する指標と目標

1.計画期間
2025年4月1日~2030年3月31日
2.多様性の確保を含む人材育成方針に対する指標と目標
【指標】正社員の採用者に占める女性比率および管理職以上の女性人数
【目標1】正社員の採用者に占める女性比率を安定して20%以上とする。
2025年4月~ 女性優先の会社説明会もしくはインターンシップを2回/年以上実施する。
2026年4月~ 求職者に対して、女性が活躍できる職場であることについての積極的広報活動を実施する。
【目標2】管理職以上の女性を2022年3月比で5倍以上(2025年3月比 約1.7倍以上)にする。
2025年4月~ 経営層を対象に、女性活躍に関する意見交換を実施する。
2026年4月~ 管理職養成のための研修カリキュラムの検討を行う。
2027年4月~ 管理職候補の女性を対象として研修を実施する。
2028年4月~ 管理職候補の女性社員を対象とした、キャリアプランに対する面談を実施する。
3.社内環境整備方針に対する指標と目標
【指標】年次有給休暇の取得率、男性・女性それぞれの育児休業取得率
【目標1】有期契約労働者を含む全社員の年次有給休暇の取得率を継続的に70%以上とする。
2025年4月~ 計画的な取得に向けて管理職向けに発信を行う。
2025年7月~ 社内報にて年次有給休暇の計画的な取得を促す啓発活動を実施する。
2026年4月~ 上記取り組みを継続する。
【目標2】男性・女性それぞれの育児休業取得率を85%以上にする。
2025年7月~ 社内報にて会社の育児休業等の支援制度の周知を実施する。
2025年9月~ 育児休業等の制度についての制度概要説明資料を改定し、再度周知する。
2026年3月~ 育児休業等の取得状況を確認し、取得事例を社員に紹介する。
2026年4月~ 上記取り組みを継続する。
導入実績制度

| 支援名称 | 内容 |
|---|---|
| 育児休業制度 | 最大で子どもが満2歳になるまで取得可。 |
| 育児短時間勤務制度 | 最大で子どもが小学校3年生の3月末に達するまで、1日2時間まで 勤務短縮可。 |
| 看護休暇制度 | 小学校入学前の子どもの病気・ケガによる看護休暇。 子が1人であれば年間5日、2人以上であれば10日まで。 半日単位での取得も可。 |
| 介護休業制度 | 対象家族1人につき、通算して最大186日の範囲内で取得可。 |
| 介護短時間勤務制度 | 対象家族1人につき、3年の間で2回までの範囲内で、1日2時間まで 勤務短縮可。 |
| 介護休暇制度 | 対象家族1人につき年間5日、2人以上であれば10日まで。 半日単位での取得も可。 |
外部からの評価
「関市女性が働きやすい職場」に認定

日本トムソンの主力工場である岐阜製作所が「関市女性が働きやすい職場」として、関市役所から認定されました。これは、育児・介護や働く女性の母性健康管理、母性保護に関するルールの整備と定めなど13項目の条件を満たした企業が認定されるものです。
岐阜製作所では、現在約500名の女性が活躍しております。今後も、各職場が子育て世代の社員に配慮し、子供の学校行事や病気などによる休暇を取得しやすくするなど、女性がよりいきいきと働くことができるよう、更なる環境整備に努めてまいります。







