IKOエピソード 夢に寄り添うIKO
夢と仕事の二刀流を成立させる方法とは
IKO社員でプロボクサーの田下さんに聞く

多様性やワーク・ライフ・バランスが重要視される現代、IKOでは、仕事と並行して個人の夢を追いかける社員にも寄り添っています。今回は、西部地区営業課員でありながら、昨年末にボクシングのスーパーライト級で新人王を獲得した田下さんにインタビュー。IKO社員とプロボクサーという二刀流をいかに成立させているのか。ご本人に伺いました。
新人王獲得には、喜びと同時に安堵感も
──まずは全日本スーパーライト級新人王の獲得おめでとうございます。
ありがとうございます。新人王というタイトルは誰もが獲得できるものではありませんが、獲るのと獲らないのとでは、今後のボクシング人生が大きく変わります。これまで自分を支えてくれた方々のためにも、「必ず獲得する」という強い覚悟で臨みました。結果が出た時は喜びと同時に、ホッと安心した気持ちもありました。
──新人王のトーナメントは、昨年4月〜12月の間に計5試合行われたそうですね。改めてこの期間をどのように乗り越えたのでしょう。


トーナメントは、大体2か月に1回の頻度で試合が行われ、その度に厳しい減量をしなければなりません。 私の場合は、毎回体重を10キロ近く落としています。追い込み練習に減量苦が重なり、疲労が極限に溜まる中での仕事は非常にハードでした。 ただ、そんな私を、同僚をはじめIKOの仲間を中心とする周囲の皆が盛り立ててくれました。 こうしたサポート無くしてこのタイトルの獲得はなかったと思います。
──では、新人王に輝くまでの田下さんの軌跡を紐解いていきたいと思います。まずはボクシングとの出合いについて教えてください。
幼少の頃、父がよくテレビで格闘技を観ていた影響で私自身もその分野に興味を持ちました。 ただ、小中学生の間は野球にも打ち込んでおり、ボクシングを始めたのは高校に入ってからです。 野球をしながらも「いつか格闘技に挑戦したい」という思いがずっとあったことから、あえてボクシング部のある高校を選択しました。
──当初からその才能を発揮されたのでしょうか。
いや、全くでした(笑)。中学の時の野球の練習はかなりハードで、それに耐え抜いた自分の体力にもメンタルにも、実はそれなりに自信がありました。ボクシングでもある程度は通用すると考えていたのですが、そんな自分の考えの甘さをすぐに思い知ることになります。野球とボクシングは別物ですし、当時の私は完全にボクシングの素人。対人練習では先輩に歯が立ちませんし、練習がハードすぎて食べても体が大きくならない。結局、高校時代は大した成績を残せていません。

ボクシングを辞めたいと思ったことは一度もない
──それでも大学に行ってボクシングを続けるわけですね。
はい。ボクシングは、練習や減量がどんなに過酷でも、今の今まで一度も辞めたいと思ったことはありません。大学でもボクシングを続けたいという私の思いを受け、高校の時の顧問の先生がボクシング部のある大学に推薦してくれました。その大学在学中に少しずつ成績も上向いていきました。
──卒業間近に先輩の試合を見にいくまで、プロを意識していなかったと伺いました。
成績がついてくるまで時間がかかったこともあり、大学4年間のボクシング生活を全うすることしか考えていませんでした。 そんな私の大学生活が終盤に差し掛かった頃、同じ大学で一つ上だった憧れの先輩がプロボクサーとなり、その試合を見にいきました。 少し前まで私と同じアマチュアの世界にいた先輩が、華やかなプロの舞台で活躍する姿を目の当たりにし、「自分もこの舞台に立ちたい」という思いが芽生えました。
──IKOへの入社の経緯についてもお聞かせください。就活は、プロボクサーを志す前に行っていたようですが、そんな中、なぜIKOを選ばれたのでしょう。
私は岐阜の出身で、母は一時期IKOの生産拠点である岐阜製作所に勤めていました。 そんな母からは、これまでに幾度となくIKOへの入社を勧められていたのです。 温かい社風や社員ファーストの制度などについて聞かされていました。 当時は軽く受け流していたのですが、ボクシングに打ち込んだ大学4年間では、結局、やりたいことや就職の当ては見つかりませんでした。 それならばと、母に勧められていたIKOについて自ら調べてみると、自分がそこで働くイメージが湧いたため、エントリーさせてもらいました。
IKOは、会社全体で私の挑戦を後押ししてくれる
──そして内定後にプロボクサーへの気持ちが膨らむわけですね。プロへの思いはいつどのように周囲に伝えたのでしょう。
入社後の研修を終え、営業課への配属が決まった後、課長に直接伝えました。 副業ともまた違いますし、リスクもあると思いますので、どうなることかと思っていましたが、すぐに私の要望を社内で協議いただき、その後正式に認めていただけたのです。 そして、有休取得の融通を含む仕事面のフォローに加え、試合にも応援に駆けつけてくれるなど、会社全体で私の挑戦を後押ししてくれています。 試合用のトランクスもご提供いただきました。今の自分があるのは、紛れもなくIKOのおかげです。

──入社以来、IKOではどんなお仕事を担当されているのでしょうか
2023年入社なので、現在3年目になります。 西部地区の営業職として、関西エリアの複数のユーザーを担当しています。 業務内容としては、ユーザーの生産動向を把握しつつ、納期トラブルの未然防止に努めながら、製品PRや新規案件への提案活動を行っています。また、販売代理店とも定期的に定例会を行い、市況情報の共有や拡販方針のすり合わせなどを通して販売活動の方向性を確認しながら、共同での製品PRを実施しています。
──他の営業職員とお仕事内容は変わりませんね。これまでに思い出深い業務上のエピソードなどはありますか。
特に印象に残っているのは、急な受注増により当社の生産が追いつかないというトラブルに見舞われた時の対応です。 上司と共にお客様のもとへ伺い、高水準の発注がいつまで続くのかを確認した上で、生産現場と連携して社内の生産体制、仕掛状況、在庫状況などを整理し、生産見通しと受注動向を数値で管理。お客様にも納期の見通しやリスクを適切に伝えることで、最終的には無事納期対応を果たしました。 この経験を通して、お客様の景況感の捉え方や、社内外との連携、リスク発生時の対応力、ヒアリングで必要な情報の把握などを実践的に学ぶことができ、非常に大きな成長の機会となりました。

これまでもずっと二重生活。社会人になり時間管理の面で成長
──そのように予測できないことがある仕事と、過酷な練習や減量が必要になるボクシングの両立をどのように実現しているのでしょう。
配属直後など、特に社会人1年目は不安でした。ただ、考えてみれば、小中学校では野球、高校大学ではボクシングにそれぞれ打ち込んでいて、日中は学業に集中してから練習と、これまでもずっと二重生活だったわけです。当然、社会人としての責任の大きさはこれまでになく、急な予定変更でトレーニング時間の確保が難しくなるケースはあります。 ただ、そのおかげで「限られた時間の中でいかに効率よく動くか」を意識するようになり、時間管理の面で想像以上に成長できました。 両立の課題よりも、単純にIKOの若手社員としての課題の方が大きいですね。分からないことがあればその都度先輩に相談して教えてもらっています。
──プロボクサーを続けていく上で、IKO社員でいることのメリットを教えてください。
特別な制度があるわけではないですが、個人の夢を会社として応援するという柔軟な判断をしていただけたことで、迷いなく夢に打ち込めるというのが一点。そして何より、一緒に働く一人一人の温もりを感じるサポートが大きな力になります。

──温もりを感じたサポートを具体的に教えてください。
有休取得時は同僚が快くフォローしてくれますし、飲み会などへの無理強いは皆無で、仕事が遅くなった時にはトレーニングのことを気にして声をかけてくれたりします。 試合の応援には、研修でお世話になった岐阜製作所など遠方から駆けつけてくれた方もいました。 こんな時、IKO社員でよかったと思うのと同時に、個人競技なのにみんなの思いも背負ったような気持ちになります。 恐らく何をしていてもボクシングは続けていたと思いますが、IKO社員でなければ、今の成績を残すことは難しかったかもしれません。
IKOは、社会人でも夢を叶えられる会社
──ボクサー、IKO社員、それぞれの将来ビジョンを教えてください。
日本チャンピオンを夢見ています。 ここまで応援してくれた方々に、必ずベルトを巻く姿を見せたいという思いは、日に日に強くなるばかりです。 そのために日々の練習を大切にし、一戦一戦成長を重ねていきたいと思っています。 一方、IKO社員としては、営業の現場で経験を積み、より多くのお客様から信頼される存在になることが目標です。 また、先輩にフォローしていただきながら学んだことを、今度は自分が後輩へ伝えられるように成長していきたいです。ボクシングを通じて培った「目標に向かって努力する力」「諦めない気持ち」を仕事にも生かし、IKOの一員として会社に貢献していきたいと考えています。

──最後に就活生や夢を持つ若手社員などへのメッセージをお願いします。
夢は人生を豊かにし、自分に自信を与えてくれます。また、その夢を通じて周囲の支えや応援のありがたみを感じ、感謝の気持ちを持つこともできます。 社会人になると夢を語る人は少なくなりますが、だからこそ社会人になっても夢を持つことは尊くて素晴らしいと私は思います。 IKOでは、私の夢を笑う人に会ったことはありません。周囲は、その夢を応援し、支えてくれる人であふれています。 ぜひ、皆さんも「もう社会人だから」と夢を諦めるのではなく、社会人でも夢を叶えられるIKOで一緒に働きましょう。
IKOの主力生産拠点は岐阜県美濃市にあり、新入社員の研修の場にもなっています。「でも岐阜ってどんなところ?」。そんなあなたの疑問に答えるページが公開されました。岐阜での暮らしと、岐阜で働くIKO社員のメリットを徹底解剖しています。興味のある方はぜひチェックしてください。 詳しくはコチラから。







