
IKOエピソードNo13 EPISODE-013 営業技術担当者インタビュー
お客様とwin-winの関係になるためにその手段を考える“営業技術”の提供価値とは
「情熱を製品に込め、丁寧に作り込んだ品質を約束します。社会の軸となる技術を真っ直ぐな思いで届けます。皆さまに寄り添い、共に成長して行きます」。これはIKOが打ち出したブランドアイデンティティです。品質の高さ、技術開発力、顧客対応力を自社の価値と捉えており、この全ての価値を最大化する上で欠かせない存在が“営業技術”といえるでしょう。営業技術とはどんな役割を持ち、いかにIKOの提供価値に影響を与えているのか。東部地区の営業技術担当者にお話を聞きました。
「社会に貢献する技術開発型企業」という姿勢が入社を決意させる

まずは改めて、IKOに入社した経緯について教えてください。
大学では工学部に在籍し、材料工学を専攻していました。当初は、軸受の存在自体は知っていたものの、その重要性には全く気付いていない状態。ただ、研究過程では加工機や測定器などの多くの機械を使用するのですが、それらの「動く場所」には必ずと言っていいほど軸受が採用されていることに気づきました。興味を抱いて調べてみると、軸受にも多くの材料が使われていることを知り、大学での学びや知識が生かせるかもしれないと考えて、就職先の選択肢の一つに軸受メーカーを考えるようになっていったんです。そして会社説明会に参加した際、IKOの「社会に貢献する技術開発型企業」という企業姿勢に好感を持ったことが、入社を決める要因になりました。
岐阜工場での経験が営業技術としての強みに

入社後、まずは岐阜工場で製造の現場を経験されたようですね。
私が入社した頃は、一定期間はIKOの生産の中心である岐阜工場で製品がどのように作られているかを知るというステップが設けられていました。入社後3ヵ月間の研修の後、私が初めて配属されたのが軸受の性能を左右する熱処理の工程です。軸受の素材となる金属は、加熱冷却して硬度を高める「焼き入れ」と、粘り強さを出して割れにくくする「焼き戻し」を行って、初めて使用できる状態になります。私自身、IKOの高品質を提供するためのノウハウが詰まった最も大切な工程の一つだと認識しています。IKOでのキャリアの第一歩がそんな重要工程から始まったのは、私にとって大きな財産となりました。事実、営業技術担当となった今の私の強みの一つとなっています。
岐阜工場で2年間勤務した後、技術研究所へ移られました。
技術研究所があることは知っていましたが、当時は入社数年の若手が行けるような部署ではないと考えていて、「いつか行けたらいいな」と思う程度でした。実際に異動が決まった際には驚きと嬉しさと不安と、いろんな感情が湧き上がりましたね。そこから技術研究所にも2年間お世話になり、製品開発のさらに前段階にある基礎研究と、お客様から依頼された製品調査などを行いました。この時にお客様と直接関わる機会があり、メーカーの人間としてお客様の課題解決に貢献できる喜びを知りました。
お客様とIKOの双方がwin-winになる方法を見出す仕事


そうして現在の配属である営業技術にたどり着きました。営業職でも技術職でもない“営業技術”の仕事や役割について教えてください。
私たちは、営業職のように売上管理はしませんし、技術職のように日々製品や技術と向き合っているわけでもありません。営業技術の仕事を一言で表現するなら、「お客様とIKOの双方が、できる限りwin-winの関係になるための手段を考えること」だと思っています。そのために大切なのは、お客様目線とIKO目線の両方を意識すること。この二つの目線はやっぱり違うもので、その両者が納得できる落とし所をいかに早く見つけられるかが私たちの役割だと考えています。
具体的にはどんな業務を行っているのでしょうか。
お客様からの技術的なお問い合わせへの対応や、営業に同行して新しい案件の掘り起こし、技術/設計/品質保証といった各部門との調整、あるいはフィールドエンジニアなどさまざまです。私たちだけでは対応が難しい相談については技術部門の力を借りることになりますが、そこで最適な対応に導くためには、お客様のご要望をできる限り正確かつ細かくヒアリングし、その内容を技術部門がすぐに動き出せるような具体的な要望・提案に変換して伝えられるかが鍵になります。当然、その逆の技術部門からお客様への確認・相談などの際もしかりです。
となると、製品や技術に関する幅広い知識が必要になりそうですね。
はい。多種多様で知られるIKOの取り扱い製品全般の知識はもとより、その製造工程や技術開発の現在地、そして世の中やビジネスのトレンドなど幅広い知識が求められる部署といえます。このような知識に加え、私の場合は製造工程や技術研究所での経験、そして大学での材料工学の学びなどが強みになっています。営業技術には、IKOの各部署で経験を積んできた強みの異なる人材が集まっていることが大きな特徴です。
お客様課題を解決してIKOに利益をもたらすサイクルを生み出す

これまでに営業技術としてやりがいを感じたエピソードを教えてください。
半導体検査装置を製造・販売しているあるユーザーより、精密位置決めテーブルの引き合いがありました。そのユーザーは、IKOとは別の製品を購入し、自社で組み立てを行った上で装置に組み込んでいたのですが、特定部品の早期破損トラブルが頻発していました。その課題解決に、当社の精密位置決めテーブルと組み立てノウハウが生かせると考え、製品に加え組立作業も当社が請け負うという付加価値をつけて提案。設計部門と協議を重ねて全く新しい精密位置決めテーブルを構築しました。その試作機を試験していただいた結果、精度や耐久性にご納得いただき、無事量産採用が決定しました。
IKOが掲げる「お客様に密着した提案型営業」の好例ですね。
はい。お客様一人一人に寄り添うきめ細かな対応は、当社が提供を約束している価値の一つ。営業技術部門では、「お客様の疑問点を可能な限り解消」し、「お客様の課題解決を最優先とした製品提案」を行い、そして「製品納入後もお客様の動向の確認やアフターフォロー」を継続して行います。お客様の課題に寄り添ってその解決策を見出し、自分のイメージ通りのものを生み出した上でそれがお客様に喜ばれ、結果IKOに利益をもたらすようなサイクルを生み出せた時が、やはり営業技術職として最もやりがいを感じますね。
チャレンジを後押ししてくれるIKOで、より多くの好循環を生み出したい

IKOでの仕事は、入社前のイメージと比べていかがでしょうか。
学生時代から探求心が高く、分からないことは徹底的に調べることをモットーにしていました。それは現在も継続しており、学生時代の材料工学の知識を取り入れつつ、新しい技術や世間のトレンドなどを探求し続けられる環境がここにはあると思います。IKOは自分がやりたいこと、成し遂げたいことをサポートしてくれる会社だと思います。そして、それぞれが思いついた方法でのチャレンジを後押ししてくれるような社風でもあると感じます。想像以上の環境で仕事ができていることは大変ありがたいですね。
最後に営業技術としての今後の展望をお聞かせください。
技術の発展は今後さらに加速し、それに伴いお客様からの要望もより一層難しいものになってくるでしょう。ただ、その時流に乗っていかなければ、会社としても個人としても発展は望めません。「お客様からの難しい相談」と向き合い、その課題を解決する手段を社内の各部署間の連携により見出していくことで、新しい景色が見えてくるのだと思います。そうすると、お客様から信頼され、また次の新しい相談がくる。このような好循環を生み出していくため、私たち営業技術が果たすべき役割は小さくないと考えています。「IKOに相談すれば何とかなる」と、より多くのお客様に思っていただけるよう、いち営業技術課員として今後も精進していきたいです。