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IKOエピソード JIMTOF2022会場レポート

4年ぶりのJIMTOFリアル展示会で確かな手応えをつかむ


IKOが丁寧に作り込んだ自社製品の品質や、その高い技術力を必要とする人に伝えていく手段の一つとして、展示会や見本市への出展は欠かせません。ただ、新型コロナウイルスの全世界的な流行により、近年はオフライン型のイベントが軒並み中止されオンライン開催などとなりました。工作機械関連で世界最大の規模を誇る展示会「JIMTOF」(ジムトフ)も、前回2020年はオンラインでの開催。昨年11月8日〜13日に東京ビッグサイトで開催されたJIMTOF2022は、実に4年ぶりに来場者を受け入れたリアルイベントとなりました。例年以上に高い注目度が期待できるこの貴重な機会に、IKOはいかに製品や技術をアピールしたのでしょうか。熱気に包まれたIKOブースの6日間をレポートします。

4年ぶりとなるリアル展示型のJIMTOFは来場者の熱気にあふれる

IKOブースに続く通路も多くの来場者で賑わった

改めて、日本国際工作機械見本市「JIMTOF」とは、工作機械とそのあらゆる周辺機器が一堂に会する総合見本市です。この領域における最先端技術と、その技術を駆使した製品なども世界中から集まります。1962年にスタートして以来、隔年をめどに実施されており、2022年は60周年の年に当たりました。そのJIMTOF2022は、昨年11月8日〜13日までの6日間実施され、重複を含む総来場者数は速報値で14万1948人。前回リアルで開催した2018年の15万3103人には及びませんでしたが、過去10回の総来場者数が10万〜15万人ほどで推移していることを考えると、すでにコロナ前と比較しても遜色ないほど人が集まったことになります。

このJIMTOFは、工作機械メーカーのクライアントを多く抱えるIKOにとっても、新しいお客様との出会いや、既存のお客様にIKOの新たな製品や高い技術力を示す貴重な機会となっており、欠かさず出展しています。ただ、前回のJIMTOF 2020は、オンラインでの開催となり、リアルのイベントに参加できない間、IKOとしてもコーポレートサイト内に「IKO VIRTUAL SHOW ROOM」をオープンするなど、オンラインでの販路拡大方法を強化してきました。

そんな中でのJIMTOF2022のリアル開催は、IKOにとって待ちに待った機会となりました。約1年前から多様な部署から集まった主要メンバーで会議を重ね、コンセプトやテーマ、メインの展示などについて一つ一つ入念に検討。今回のメイン展示の一つを次世代リニアローラウェイスーパーX(LRX)「ZERO」に決定したことで、精度「0」という極限に挑戦するIKOの姿勢をブース全体からも感じられるようなデザインにするとともに、4年ぶりのリアル展示を来場者がじっくりと楽しめるよう、通路などもゆったりとした設計にしました。

「ZERO(0)への挑戦」と題したIKOブースも大盛況

合わせ鏡で0がつながるタイトルデザインが目をひくIKOブース

そしてついに迎えたJIMTOF2022の開幕日、会場は大きな熱気に包まれました。多くの人であふれ返る会場内で、「ZERO(0)への挑戦」というタイトルが目を引くIKOブースにもひっきりなしに人が訪れます。工作機械メーカーの方から、研究機関の研究者、IKOユーザー、マスコミ関係者などまで、多種多様な人が代わるがわるブースに立ち寄り、IKOの今と未来を感じさせる展示の数々に熱視線を寄せていました。

メイン展示の一つである「ZERO」は、現行のLRXのラインナップの中で走行振れと脈動を限界まで抑えたモデルであるMX「MASTER GRADE」のさらなる進化を目指し、低脈動の頂き「走行振れ0」に本気で挑んだモデルとなります。現時点で走行振れ5nm、走行平行度1μmを達成しており、この精度にたどり着くまでの歩みなどをまとめた動画なども併せて展示しました。解説員からの説明に興味深く耳を傾けていた大学の研究者は「品質に絶対の自信を持つIKOですから、どこまで理想に近づくことができるのか興味が湧きました。研究で使っているクロスローラベアリングの最新ラインナップを見にきたのですが、思いがけず良いネタが仕入れられて楽しかったです」と話していました。

走行振れ0に本気で挑んだ次世代リニアローラウェイスーパーX「ZERO」(コンセプトモデル)を展示のメインに

来場者は「見せ方」と「開発姿勢」を高く評価

このZEROに負けず劣らず注目を集めていたのが、IKOのニードルベアリング製品「カムフォロア」を使ったデモ機です。今回のJIMTOFにあわせて特別に用意されたもので、四方が透明のケースで覆われているため、カムフォロアの細かい動きの一つ一つをまるでアトラクションのように眺めることができます。そのなめらかで素早く正確な動きに釘付けとなっていた二人組の女性来場者は、「機械の部品は、並んでいるだけだとどんな動きになるのかがわからない。このように動いているところを見せてくれるのが理想的ですね。ついつい目で追ってしまってなかなか離れられません」と笑顔で語ってくれました。

まるでアトラクションのようなカムフォロアのデモ機に来場者の視線は釘付け

また、製品の精度を測定できる「荷重検出機能付きリニアローラウェイスーパーX」にも熱視線が注がれました。ベアリングなどの機械要素部品は、納品後にきちんとオーダー通りの精度が出ているかを確かめるにはかなり労力を要します。そんな中、複合センシング技術により実際の荷重を可視化できるようにしたのがこの装置。ニーズの有無を確認することを目的に、今回、実験的に製作して展示されました。この製品に特に熱い視線を注いでいたのは、長年のIKOユーザーだという工作機械メーカーの男性経営者です。「これまで製品の精度に関しては部品メーカーを信頼するしかありませんでしたが、この製品なら数値を実際に示しながら自信を持ってユーザーに提案できる。単なる技術の追求ではなく、きちんと現場のニーズを汲み取って開発してくれるのがIKO。自社で活用できるようになる日が待ち遠しいです」と、製品化を心待ちにしていました。

参考出品となった「荷重検出機能付きリニアローラウェイスーパーX」にも高い注目が集まる

このほかにもクロスローラベアリング(CRB)の大型形番から小型形番まで並べられるなど、新旧さまざまな製品が並んだIKOブース。前述の通り、JIMTOF全体の来場者数は前回2018年のリアル開催時に比べて減少しましたが、IKOブースには前回を大きく上回るお客様が来場。それだけIKOの注目度が高まったと捉えることができそうです。

2月にはプライベートショー、4〜6月は毎月リアル展示会への出展を予定

新型コロナウイルスへの不安や懸念はまだなくなったとはいえませんが、2022年の日本は、その存在を前提としながらも社会や経済を回していく「Withコロナ」の実践方法を模索した1年だったといえるでしょう。IKOにとっても、JIMTOF2022リアル開催への出展は大きな挑戦であり、また、今後を占う試金石になりました。そこで得た確かな手応えを携え、2月28日〜3月1日には京都において当社のプライベートショー「IKO Today in Kyoto2023」を開催。4月には名古屋での「機械要素技術展(M-Tech)」、5月には金沢での機械工業見本市「MEX金沢」、6月には東京における「機械要素技術展(M-Tech)」に出展予定です。そのいずれの展示会においても、今回のJIMTOF同様、お客様に寄り添ったIKOらしい展示に努めることをお約束します。京都にお越しの際にはぜひプライベートショー(要事前申込)へ、そのほかの各展示会に足をお運びの際にはぜひIKOブースにもお立ち寄りください。皆様に直接お会いできる機会を心待ちにしています。




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