先輩はすべて新入社員の教育係──
日本トムソンにはそんな風土が根付く

私が入社した2017年は、ベアリング業界全体が大変な繁忙期にありました。そのため、入社して間もなく、駅のホームドアや医療機器のCTスキャンなどに用いられる当社の代表的な製品「リニアウェイ」シリーズの組み立て業務に携わることとなりました。初めての土地で初めての一人暮らしをしながら、早速責任重大な業務に従事するという状況でしたが、実は当時を振り返っても不思議と楽しかった印象しかありません。毎日適度に体を動かして、新鮮な日常から刺激をもらいつつ、仕事を終えたという充実感も味わえたというポジティブな記憶のみが残っています。それはきっと、周囲の人が本当に親切に指導してくれたおかげだと思います。
当社では、すべての先輩が新入社員の教育に協力的です。入社当時、右も左も分からなかった私は、時として同じことを何度も繰り返し質問していました。そんな私に対して、どこの現場の誰であっても、真摯に向き合って話を聞いてくれた記憶があります。違う工場で働く同期入社のメンバーも同じことを言っていたので、会社全体にそういった風土が根付いているのだと思います。今では私も当然、自分が新人の時にしてもらったように新入社員に接していますから、こうして伝統が受け継がれていくんでしょうね。

工場研修を終えた後、品質保証部に配属になりました。お客様からのご要望に対応したり、製品の不具合の原因を調査したり、部品を供給いただいている取引先様の監査をしたりといったことがメインの業務です。入社2年目には、10件程度のお客様の対応を同時に掛け持ちしながら、そのほかに定期的な監査業務もあるという大変な状況を経験しました。自分でもどうしていいかわからなくなった時、状況を打開するきっかけになったのが、「仕事はスピードが大事」という上司からの助言です。
当時の私は、複数の案件を抱えていても、仕事を一つ一つ完結させるスタイルでした。しかし、残りの業務の概要だけでもはじめに押さえておけば、その後がスムーズに進みます。また、自分の中で100%にしてから上司に報告していたことも、全体の業務スピードを落としていた原因だと気づきました。細かく指示されたわけではありませんが、だからこそ自分自身でこのような気づきにたどり着けたのだと思っています。
入社4年目の今は、自分の調査を基にした説明でお客様にご納得いただいたと営業スタッフから報告された時にやりがいを感じます。理系出身でコミュニケーションに苦手意識があったのですが、社内外の人に自分の話が理解してもらえるようになってからは、話すこと自体も楽しくなりました。今はさまざまな面で日々自分の成長を実感しています。