第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結累計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間(平成23年4月1日~平成23年12月31日)におけるわが国の経済は、東日本大震災の影響で急激に低下した国内の生産活動は持ち直しの動きが見られたものの、企業収益は、歴史的な円高による輸出の減少やタイで発生した洪水による生産活動への影響から減少傾向にあります。海外経済においては、米国景気は緩やかな回復基調を辿りましたが、欧州債務問題の深刻化や中国の成長鈍化に伴う下振れ懸念の強まりなどが実体経済に影響を及ぼしはじめており、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような情勢のもとで、当社グループといたしましては、今後の戦略的な事業展開を図るべく、新興国をはじめとしたグローバル市場を中心に、需要開拓を加速させるための諸施策を推進してまいりました。

販売面につきましては、販売政策の柱となる「ユーザーに密着した提案型営業活動」を推進し、新規市場開拓や既存顧客との取引深耕に注力しました。特に中国市場では、現地販売子会社の現地採用者を増員し、直接販売の強化や代理店販売網の拡充を図りました。さらに、現地販売子会社の新たな営業拠点として、西安、深および成都に事務所を開設し、需要開拓の加速に努めております。

生産面につきましては、国内生産体制の強化を図るとともに、直動案内機器の海外生産拠点であるベトナム生産子会社において、グローバル市場の需要拡大を見据えて工場建屋を増築するなど積極的な投資を実施し、従来までの組立工程の前工程となる研削工程を新たに導入し、完成品出荷まで行う一貫生産体制の構築を進めました。

地域別に市況をみますと、国内市場は、期初においては新興国市場等の堅調な市場拡大を背景に、工作機械等の主要需要産業向けに回復基調でありましたが、夏以降は、欧州債務問題等の影響による円高の加速や新興国市場の成長鈍化の影響を受け、需要は下降局面に転じました。北米・欧州地域は、工作機械、医療機器向け等を中心に売上高は堅調に推移しましたが、世界経済の先行き不安の高まりから、需要は減少基調となりました。アジア地域においては、エレクトロニクス関連投資による需要増や積極的な中国市場の開拓により、好調に推移していましたが、世界経済の鈍化の影響を受けて需要は減速感が強まりました。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ2.3%増の33,185百万円となりました。収益面につきましては、経費の抑制に努めたものの、急激な円高による為替のマイナス影響等により、営業利益は2,758百万円(前年同期比21.6%減)となり、経常利益は2,533百万円(前年同期比22.2%減)となりました。なお、四半期純利益は税負担の減少等により2,477百万円(前年同期比16.4%増)となりました。

また、当第3四半期連結累計期間における針状ころ軸受および直動案内機器等(以下、軸受等)の生産高(平均販売価格による)は38,993百万円(前年同期比42.9%増)となり、軸受等ならびに諸機械部品の受注高は30,684百万円(前年同期比11.8%減)となりました。

セグメントについて、当社グループは、軸受等ならびに諸機械部品の製造・販売事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。なお、部門別売上高では、軸受等は29,188百万円(前年同期比3.5%増)、諸機械部品は3,997百万円(前年同期比5.5%減)となりました。

 

 
部門別売上高
 
 
 
 
 
 
区分
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
比較増減
 
(自 平成22年4月1日
(自 平成23年4月1日
 
  至 平成22年12月31日)
  至 平成23年12月31日)
 
金額(百万円)
比率(%)
金額(百万円)
比率(%)
金額(百万円)
伸び率(%)
 
軸 受 等
28,197
87.0
29,188
88.0
990
3.5
 
諸機械部品
4,228
13.0
3,997
12.0
△231
△5.5
 
売上高合計
32,426
100.0
33,185
100.0
759
2.3

 

なお、経営成績の分析における記載金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態の分析

資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,682百万円増加し91,935百万円となりました。これは主に、現金及び預金5,409百万円の減少、製品、仕掛品等のたな卸資産6,919百万円、有形固定資産4,052百万円の増加等によるものであります。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,042百万円増加し39,324百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金1,067百万円、新株予約権付社債5,000百万円の増加、長期借入金625百万円の減少等によるものであります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ640百万円増加し52,611百万円となりました。これは主に、利益剰余金1,595百万円の増加、その他有価証券評価差額金640百万円、為替換算調整勘定330百万円の減少等によるものであります。

 

(3) 事業上および財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

なお、当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。

 

 

① 基本方針の内容の概要

当社は、当社の企業価値が、「社会に貢献する技術開発型企業」という企業理念に基づいて、永年にわたり蓄積してきた営業・技術・生産のノウハウ等を駆使した機動性のある企業活動に邁進し、国内外の社会の発展に貢献することにより、株主の皆様共同の利益を向上させていくことにその淵源を有することに鑑み、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令および定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針といたします。

② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要

当社は、平成23年5月16日開催の取締役会において、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの一つとして、平成21年6月26日開催の当社第60回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいたうえで継続していた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針につき、所要の変更を行ったうえで(以下変更後の対応方針を「本プラン」といいます)、引き続き継続することを決議し、平成23年6月29日開催の当社第62回定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます)において株主の皆様のご承認をいただきました。また、当社は本プランの継続に伴い、独立委員会を引き続き設置しており、独立委員会委員として、伊集院功、齊藤聡、佐藤順哉、武井洋一の4氏を選任いたしました。

本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成23年5月16日付プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部変更および継続に関するお知らせ」をご覧下さい。
 (参考URL: http://www.ikont.co.jp/)

1) 本プランの目的

本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供および考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とし、もって当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上を実現することを目的としています。

 

2) 本プランに基づく対抗措置の発動に係る手続

(a) 対象となる大規模買付行為

次のアからウまでのいずれかに該当する行為またはその可能性のある行為がなされ、またはなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。

ア 当社が発行者である株券等に関する当社の特定の株主の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得

イ 当社が発行者である株券等に関する当社の特定の株主の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得

ウ 上記アまたはイに規定される各行為が行われたか否かにかかわらず、当社の特定の株主が、当社の他の株主(複数である場合を含みます。以下本ウにおいて同じとします)との間で、当該他の株主が当該特定の株主の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、または当該特定の株主と当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配し、もしくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当社が発行者である株券等につき当該特定の株主と当該他の株主の株券等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限ります)

(b) 大規模買付者に対する情報提供要求

大規模買付者には、大規模買付行為の開始または実行に先立ち、意向表明書および大規模買付情報を提出・提供していただきます。

(c) 取締役会評価期間の設定等

取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社の全ての株券等の買付けが行われる場合には、最長60日間、それ以外の場合には、最長90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値および株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から、企図されている大規模買付行為に関して評価、検討、意見形成、代替案立案および大規模買付者との交渉を行うものとします。

(d) 独立委員会の勧告および取締役会による決議

独立委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつきその重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を書面により当該大規模買付者に対して要求した後5営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。

他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。

取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動その他必要な決議を行うものとします。なお、取締役会は、一定の場合には、対抗措置を発動するか否かを株主の皆様に問うべく株主総会を招集することができるものとします。

 

(e) 対抗措置の具体的内容

当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、新株予約権の無償割当てによるものを想定しておりますが、会社法その他の法令および当社の定款が取締役会の権限として認めるその他の措置を発動することが相当と判断される場合には当該措置が用いられることもあり得るものとします。

3) 本プランの特徴

(a) 基本方針の制定

本プランは、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を制定したうえで、継続されたものです。

(b) 独立委員会の設置

当社は、本プランの必要性および相当性を確保するために独立委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。

(c) 株主総会における本プランの承認

本プランにつきましては、本定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。

(d) 適時開示

取締役会は、本プラン上必要な事項について、適用ある法令等および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。

(e) 本プランの有効期間

本プランの有効期間は、本定時株主総会における本プランの承認時から本定時株主総会終了後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会後最初に開催される取締役会の終結時までとします。ただし、かかる有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、本プランはその時点で廃止されるものとします。

4) 株主の皆様への影響

(a) 本プランの効力発生時に株主の皆様へ与える影響

本プランの効力発生時には、新株予約権の発行自体は行われません。したがって、本プランが本プラン効力発生時に株主の皆様の権利および経済的利益に直接具体的な影響を与えることはありません。

(b) 新株予約権の無償割当て時に株主の皆様へ与える影響

対抗措置として新株予約権の無償割当てが行われた場合においても、保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じないことから、株主の皆様の法的権利および経済的利益に対して直接的具体的な影響を与えることは想定しておりません。ただし、例外事由該当者については、対抗措置が発動された場合、結果的に、その法的権利または経済的利益に何らかの影響が生じる可能性があります。

 

③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断およびその理由

当社は、前記②1)記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上をその目的としており、基本方針に沿うものと考えます。特に本プランは、1)株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆様の意思にかからしめられている点において株主の皆様のご意思を重視していること、2)大規模買付行為に関する評価、検討、意見形成、代替案立案および大規模買付者との交渉を行うにあたり、取締役会が独立した第三者的立場にある専門家の意見を取得できること、3)独立性の高い独立委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の勧告を経る仕組みとなっているうえ、独立委員会は更に独立した第三者的立場にある専門家の意見を取得できること、4)対抗措置の発動、不発動または中止に関する判断の際に拠るべき基準が設けられていることなどから、当社は、本プランは当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社の取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は609百万円であります。