第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、堅調な企業業績を背景とした設備投資意欲の持続に加え、アジアをはじめ、欧州地域や新興国等の経済成長に支えられた外需も好調であったことなどから、前半は緩やかな成長が続きました。しかし、年度後半からは、米国のサブプライムローン問題による金融不安が深まり、急激な為替変動や株価下落の進行、原油・原材料価格の更なる高騰等により、しだいに世界経済全体に先行き不透明感が強まってまいりました。

このような情勢のもとで、当社グループといたしましては、事業規模を拡大し、企業価値を高めるための諸施策を展開してまいりました。

販売面では、「ユーザーに密着した提案型営業活動」を継続的に推進し、国内外市場ともに、幅広い産業の需要開拓に注力するとともに、製品性能で優位性の高い高剛性・高精度のローラタイプ直動案内機器等を工作機械等の潜在需要の大きな産業に対し、積極的な受注活動を展開しました。

製品開発面では、ローラタイプ直動案内機器のパイオニアとして用途の拡大を目指し、環境負荷低減とユーザーの給油管理工数削減を実現させる当社独自の開発製品「メンテナンスフリーシリーズ」との融合で生まれたCルーブリニアローラウェイスーパーXの品種を積極的に強化するなど、当連結会計年度は14品目の新製品を開発し、市場に投入しました。

生産面では、海外を中心に需要が拡大している針状ころ軸受等の生産能力を、前期に引き続き増強しました。また、直動案内機器については、ベトナムの生産子会社「IKO THOMPSON VIETNAM CO.,LTD.」を含め、グループ全体で製品ごとの負荷状況に応じた生産体制の最適化を推進し、生産強化を図りました。

その結果、当連結会計年度の売上高は52,101百万円(前年同期比3.3%増)となりました。しかし、収益面につきましては、原価低減や事務合理化、経費節減等に注力しましたが、原材料価格の高騰等による材料費・加工費等の増加、税制改正等による減価償却費負担増や販売費増等の影響により売上原価及び経費が前年同期に比べ膨らんだ結果、経常利益は8,075百万円(前年同期比19.2%減)となり、当期純利益は、減損処理による投資有価証券評価損の特別損失の計上もあり3,566百万円(前年同期比43.7%減)となりました。

また、当連結会計年度における軸受等の生産高(平均販売価格による)は41,338百万円(前年同期比2.7%減)となり、軸受等ならびに諸機械部品の受注高は53,931百万円(前年同期比7.8%増)となりました。

 

 事業の種類別セグメントについて、当社グループは、軸受等ならびに諸機械部品の製造販売を主な単一の事業として運営しているため、事業の種類別セグメント及び事業部門は一括して記載しております。なお、部門別では、軸受等の売上高は44,964百万円(前年同期比3.5%増)で、諸機械部品の売上高は、7,136百万円(前年同期比2.7%増)となりました。

 

部門別売上高
区分
前連結会計年度
当連結会計年度
比較増減
(自 平成18年4月1日
(自 平成19年4月1日
  至 平成19年3月31日)
  至 平成20年3月31日)
金額(百万円)
比率(%)
金額(百万円)
比率(%)
金額(百万円)
伸び率(%)
軸 受 等
43,464
86.2
44,964
86.3
1,500
3.5
諸機械部品
6,950
13.8
7,136
13.7
186
2.7
売上高合計
50,414
100.0
52,101
100.0
1,687
3.3

 

 所在地別セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

日本

国内市場は、堅調な設備投資と輸出を背景に好調であった工作機械向けに、高剛性・高精度のローラタイプ直動案内機器が伸張し、針状ころ軸受等では輸送機械や油圧機械向けが増加しました。反面、半導体製造装置・電子部品実装機等のエレクトロニクス関連産業向けなどは、新規設備投資の先送りなどから減少となりました。国内代理店向けもエレクトロニクス関連産業や自動車産業向け設備需要の伸び悩みの影響等により減少しました。一方、輸出は、アジアや欧州地域をはじめとした堅調な経済成長に加え、日本企業の海外生産シフトの進展等により需要が拡大しました。その結果、売上高は41,114百万円(前年同期比0.1%増)に留まり、営業利益は売上原価や経費等の増加により7,785百万円(前年同期比18.7%減)となりました。

 

北米

北米地域は、エレクトロニクス関連産業向けは伸び悩みましたが、工作機械や医療機器向けが好調に推移したことのほか、幅広い産業分野での需要開拓を展開したことにより、売上高は5,265百万円(前年同期比4.7%増)となりましたが、販売費増等により営業利益は485百万円(前年同期比15.1%減)となりました。

 

欧州

欧州地域は、前期に引き続き国内外需要が堅調であり、域内景気は拡大基調を持続しました。その結果、工作機械や医療機器向けをはじめ、総じて各需要業界向けが好調に推移したことに加え、為替変動による増収効果もあり、売上高は5,721百万円(前年同期比32.8%増)となり、営業利益は465百万円(前年同期比34.2%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,853百万円減少し14,004百万円となりました。

 

 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前年同期に比べ485百万円減少し6,573百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益7,102百万円、減価償却費3,187百万円、投資有価証券評価損990百万円等による収入と、法人税等の支払額4,471百万円、たな卸資産の増加額1,136百万円等の支出との差額によるものであります。

 

 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により使用されたキャッシュ・フローは、前年同期に比べ5,498百万円増加し8,247百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,095百万円、投資有価証券の取得による支出3,512百万円等によるものであります。

なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを除いたフリーキャッシュ・フローは、前年同期に比べ5,984百万円減少し、△1,674百万円となりました。

 

 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により使用されたキャッシュ・フローは、前年同期に比べ782百万円増加し2,125百万円となりました。これは主に、配当金の支払額1,183百万円、自己株式の取得による支出1,170百万円等によるものであります。

 

なお、事業の状況における記載金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは、軸受等ならびに諸機械部品の製造・販売を単一の事業として運営しているため、生産、受注及び販売の状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に一括して記載しております。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 当社グループの対処すべき課題

当社グループは、世界規模で技術革新が進展する中、急激に変化する国内外の市場動向を的確に把握し、売上の最大化を軸とした事業規模の拡大を図り、環境対策面や性能面に優れたIKOブランド製品を通じて企業価値の向上を目指すための取り組みとして、以下の諸施策を講じてまいります。

 

(ア) 販売活動につきましては、当社グループの販売戦略の根幹をなす『ユーザーに密着した提案型営業活動』をより積極的に展開して、新規市場の開拓や既存市場に対する当社製品の浸透を図ってまいります。そのために、国内外の市場の変化に適応した合理的、効率的な販売体制の構築を継続的に推進してまいります。

 国内市場に対する施策

当社グループは先端産業等の主要な需要産業のみならず、市場規模にとらわれない緻密な販売活動を図り、当社グループの強みである多品種生産体制を生かしながら、提案型営業活動の要となる「ユーザーを直接訪問して行うミニ展示会・技術セミナー」を積極的に開催し、幅広い産業分野の需要を開拓することで、特定産業に傾斜しないバランスの取れた売上構成を形成してまいります。

 海外市場に対する施策

当社グループがIKOブランド製品の市場浸透力を高め、事業規模の拡大を図るためには、海外市場に対する販売強化は不可欠であります。そのために、海外現地法人を中心に販売網を整備・拡大して、新興国等の需要開拓を積極的に推進するとともに、経済成長の著しい中国については、販売子会社の販売力の強化を図ってまいります。今後もグローバルな視点で販売網を充実させ、市場ニーズの掘り起こしと販売拡大を進展させてまいります。

 

(イ) 製品開発につきましては、新製品開発能力の向上は、当社グループが製品を通じて社会への貢献を可能にするとともに、当社グループの企業価値を高める上で必要不可欠な要素であると認識しております。当社グループは、社内体制として確立している「ユーザーニーズを反映させた製品開発体制」により、顧客満足が得られる独創的な高付加価値製品を開発し、IKOブランド製品が有する多様な優位性を訴求していくことで、需要の拡大を促進してまいります。当連結会計年度は14品目の新製品を市場に投入しましたが、今後も永続的なテーマとして、市場ニーズに基づいた最適製品の開発に注力してまいります。

 

(ウ) 生産活動につきましては、需要の変化に柔軟に対応できるよう国内生産拠点を整備・強化しながら、競争が激しさを増す世界市場においても収益性の高い生産体制を構築してまいります。具体的には、需要増が続いている針状ころ軸受等の生産能力を増強するため、引き続き積極的な設備投資を推し進め、直動案内機器では、生産品目の需要動向に合致した生産体制を構築するとともに、海外生産子会社においては、生産品目の拡充を図り国際競争力を強化してまいります。今後は、激しさを増す国際競争の中でも、高い収益性を確保できる合理的な生産体制を確立するため、国内生産部門と海外生産子会社が一層密接に連携するなど、需要の変化に対応した製品供給を実現し、グループ全体の市場競争力を向上させてまいります。

(エ) 社会の信頼を得ながら、当社グループが引き続き発展するためには、法令遵守や社会貢献についての取り組みも重要な課題のひとつとしてとらえています。環境面では、国際規格「ISO14001」に基づく保全活動の継続のほか、当社グループの環境保全への取り組みを象徴する「オイル・ミニマム(Oil Minimum)」をキーワードとした積極的な環境負荷低減製品の開発を推進しております。また、内部統制システムを整備・運用することにより、社会から信頼される体制を構築してまいります。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

(ア) 基本方針の内容

当社は、当社の企業価値が、「社会に貢献する技術開発型企業」という企業理念に基づいて、永年にわたり蓄積してきた営業・技術・生産のノウハウ等を駆使した機動性のある企業活動に邁進し、国内外の社会の発展に貢献することにより、株主の皆様をはじめとした多くのステークホルダーの皆様共同の利益を向上させていくことにその淵源を有することに鑑み、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針とします。

(イ) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの一つとして、平成19年5月14日開催の取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」)を導入し、平成19年6月28日開催の第58回定時株主総会において、本プランについて株主の皆様のご承認をいただきました。また、当社は本プランの導入に伴い、独立委員会を設置し、独立委員会委員として、伊集院功氏、齊藤聡氏、佐藤順哉氏、武井洋一氏、古川行正氏の5名を選任いたしました。

本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、本プランの詳細につきましては、当社ホームぺージに掲載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の導入に関するお知らせ」をご覧ください。 (参考URL: http://www.ikont.co.jp/)

  本プランの導入の目的

本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とし、もって当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上を実現することを目的として、導入されたものです。

  本プランに基づく対抗措置の発動に係る手続

   対象となる大規模買付行為

次のいずれかに該当する行為またはその可能性のある行為がなされ、またはなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。

・当社が発行者である株券等に関する大規模買付者の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得

・当社が発行者である株券等に関する大規模買付者の株券等保有割合とその特別関係者の株券等保有割合との合計が20%以上となる当該株式等の買付けその他の取得

・大規模買付者が、当社の他の株主との間で行う当該他の株主が当該大規模買付者の共同保有者に該当することとなるような行為(ただし、当該大規模買付者の株券等保有割合が20%以上となる場合に限ります)

   大規模買付者に対する情報提供要求

大規模買付者には、大規模買付行為の開始または実行に先立ち、意向表明書及び大規模買付情報を提出・提供していただきます。

   取締役会評価期間の設定等

取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社の全ての株券等の買付けが行われる場合には、60日間、それ以外の場合には、90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から企図されている大規模買付行為に関して評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うものとします。

   独立委員会の勧告及び取締役会による決議

独立委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつきその重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を書面により当該大規模買付者に対して要求した後5営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。

他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。

取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動その他必要な決議を行うものとします。なお、取締役会は、一定の場合には、対抗措置を発動するか否かを株主の皆様に問うべく株主総会を招集することができるものとします。

   対抗措置の具体的内容

当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、新株または新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法令及び当社の定款が取締役会の権限として認める措置とします。

  本プランの特徴

   基本方針の制定

本プランは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を制定したうえで、導入されたものです。

   独立委員会の設置

当社は、本プランの必要性及び相当性を確保するために独立委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。

   株主総会における本プランの承認

本プランにつきましては、第58回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。

   適時開示

取締役会は、本プラン上必要な事項について、適用ある法令等及び証券取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。

   本プランの有効期間

本プランの有効期間は、平成19年5月14日から第58回定時株主総会終了後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会後最初に開催される取締役会の終結時までとします。ただし、かかる有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、本プランはその時点で廃止されるものとします。

  株主の皆様への影響

   本プランの導入時に株主の皆様へ与える影響

本プランの導入時には、対抗措置の発動は行われません。従って、本プランが本プラン導入時に株主の皆様の権利及び経済的利益に直接具体的な影響を与えることはありません。

   新株予約権の発行時に株主の皆様へ与える影響

対抗措置として新株予約権の無償割当てが行われた場合においても、保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じないことから、株主の皆様の法的権利及び経済的利益に対して直接的具体的な影響を与えることは想定しておりません。ただし、例外事由該当者については、対抗措置が発動された場合、結果的に、その法的権利または経済的利益に何らかの影響が生じる可能性があります。

(ウ) 上記の取り組みに対する取締役会の判断及びその判断に係る理由

当社は、前記(イ)記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上という目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。特に本プランは、1)株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆様の意思にかからしめられている点において株主の皆様のご意思を重視していること、2)大規模買付行為に関する評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたり、取締役会が独立した第三者的立場にある専門家の意見を取得できること、3)独立性の高い独立委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の勧告を経る仕組みとなっているうえ、独立委員会は更に独立した第三者的立場にある専門家の意見を取得できること、4)対抗措置の発動、不発動または中止に関する判断の際に拠るべき基準が設けられていることなどから、当社は、本プランは当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社の取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成20年6月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境

当社グループの売上高の内訳は、軸受等が全体の85%程度、諸機械部品は15%程度でありますが、当面、この傾向に大きな変化はないものと考えております。また、新たな事業への進出は、現在のところ考えておりません。

当社グループの製品は、国内外の半導体製造装置関連、工作機械、自動車・自動二輪車をはじめ、電気機械、ロボット、建設機械や一般産業機械等の幅広い分野で使用されております。従いまして、日本、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 製品開発

当社グループが生産・販売する軸受等は、販売戦略の根幹である「ユーザーに密着した提案型営業活動」により収集されたユーザーニーズを反映させた製品であり、競合他社製品との差別化を図った製品を多数開発し、市場に投入しております。しかしながら、品質、性能の優位性よりも廉価な類似製品に需要が傾斜した場合、当社製品の付加価値に見合った販売価格の設定が困難になる恐れがあります。

 

(3) 生産体制

当社グループは、常に変化する国内外市場の需要と短納期化の要請に応えるため、資材、生産設備等の先行投資が不可欠であると考えております。従いまして、ユーザーからの需要の変化に柔軟に対応できる生産体制の維持・改善に努めておりますが、予想を超える短期間での需要の変化は、供給の遅延やコストの増加を招く恐れがあります。

 

(4) 為替変動

当社グループは、北米、欧州、アジアをはじめとした世界市場へ製品の販売を行っております。そのため、為替予約等により為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、そのリスクを全て排除することは不可能であります。また、米国、オランダなどの海外連結子会社における売上、費用、資産を含む外貨建て項目は、連結財務諸表作成のために円貨換算しており、為替相場の変動の影響があります。

 

以上のような様々なリスクが存在しておりますが、ここに記載したリスクが当社グループの全てのリスクではありません。

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「社会に貢献する技術開発型企業」を経営理念として掲げ、軸受等の製造・販売を通じて内外社会に貢献し、社会の信頼を得ながら発展する国際企業を目指しております。規模の大きさのみを追うのではなく、質の高い企業であることを目標に、ユーザーニーズに即した高付加価値製品の開発を使命として、当社のブランドである『IKO』が意味するところの、常に当社の製品が、革新的で(Innovation)、高度な技術に立脚し(Know-how)、そして創造性に富む(Originality)製品であるよう、全社を挙げて取り組んでおります。

現在、研究開発は、技術センター、開発センター、製品開発推進部及び生技センターが中心となって、製品開発、素材研究等を推進しております。そして、これらの部門及び各工場と、ユーザーニーズを素早く捉える営業技術部門との相互連携により、永年培った軸受製造技術と精密加工技術をベースに、新製品の開発はもとより、地球環境に配慮し、環境負荷を低減する製品開発にも取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は、軸受等の新製品開発や素材研究、製造技術研究等を中心に1,151百万円でありました。

なお、当社グループは、軸受等ならびに諸機械部品の製造・販売を単一の事業として運営しているため、事業の種類別セグメント及び事業部門は一括して記載しております。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 連結の範囲について

当社グループの連結財務諸表は、当社及び連結子会社7社(国内販売子会社2社、海外販売子会社2社、国内製造子会社2社、海外製造子会社1社)より構成され、非連結子会社6社については、小規模で、連結財務諸表上、重要な影響を及ぼしていないため、連結の範囲から除いております。
 なお、当社及び連結子会社の連結売上高に占める割合は、当社及び国内連結子会社が8割強、海外連結子会社が2割強であります。

 

(2) 重要な会計処理基準及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計処理基準に関する事項」に記載のごとく、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。その他、税効果計算上の繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積り計上しております。

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の日本経済は、前半は国内企業の堅調な業績を背景とした設備投資の持続に加え、アジアをはじめ、欧州地域、新興国等の経済成長に支えられ緩やかな成長が続きました。しかし、年度後半からは、米国のサブプライムローン問題による金融不安から発した急激な為替変動や株価の下落、また、原油・原材料価格の更なる高騰等により、世界経済全体に先行き不透明感が強まってまいりました。 
 このような情勢のもと、当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ3.3%増の52,101百万円となりました。しかし、収益面につきましては、操業度の改善や経費節減に注力しましたが、原材料価格の高騰等による材料費・加工費等の増加や販売費が前連結会計年度に比べ膨らんだ結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ19.2%減の8,075百万円、当期純利益は、減損処理による投資有価証券評価損の特別損失の計上もあり、前連結会計年度に比べ43.7%減の3,566百万円となりました。 
 売上高は、軸受等が前連結会計年度に比べ3.5%増の44,964百万円となり、諸機械部品の7,136百万円(前年同期比2.7%増)とあわせて52,101百万円となりました。また、国内・海外に分けてみますと、国内売上高は、堅調な民間設備投資と海外の経済成長を背景に工作機械産業向けは伸びましたが、エレクトロニクス関連産業や自動車産業向けの設備需要は伸び悩み、前連結会計年度34,690百万円に対し3.3%減の33,539百万円となりました。海外売上高については、アジアや欧州地域の堅調な経済成長に加え、日本企業の海外生産シフトによる現地需要の拡大により順調に推移しました。その結果、前連結会計年度に比べ18.0%増の18,561百万円となりました。また、海外売上高比率は、前連結会計年度の31.2%から35.6%と4.4ポイント上昇しました。これらの増収要因は、世界規模で技術革新が進展する中、急激に変化する市場動向を的確に把握し、当社グループの販売戦略の根幹をなす「ユーザーに密着した提案型営業活動」の推進により、ユーザーニーズを積極的に掘り起こし、そのニーズに最適な製品を数多く開発し、市場投入して需要を喚起できたことに加え、当社グループの国内外拠点が密接に連携を図り、迅速で適切な製品供給ができた結果であると考えております。 

売上原価は、売上高の増加に伴う生産操業度の向上のほか、継続的に進めている生産効率の向上や固定費の見直し等の諸施策を推し進めましたが、原材料価格の高騰等による材料費・加工費の増加等により33,188百万円となり、売上原価比率は2.3ポイント上昇し63.7%となりました。 
 販売費及び一般管理費は、コスト削減に不断の努力を続けておりますが、税制改正等による減価償却費負担増や販売費増等の影響により、前連結会計年度より1,125百万円増加の10,760百万円となり、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、前連結会計年度19.1%に対して20.7%と1.6ポイント上昇しました。なお、売上原価ならびに販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は1,151百万円と、売上高に対して2.2%であり、当社グループの業容拡大に必要不可欠である新製品開発等を中心に活動しました。 
 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ1,700百万円減益(前年同期比17.3%減)の8,153百万円となりました。 
 営業外損益では、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は△78百万円となり、経常利益は8,075百万円(前年同期比19.2%減)となりました。更に、減損処理による投資有価証券評価損を含めた特別損失1,012百万円を計上した結果、税金等調整前当期純利益は7,102百万円(前年同期比32.6%減)となりました。 
 法人税等及び法人税等調整額は、あわせて3,535百万円を計上し、その実効税率は49.8%となりました。 税金等調整前当期純利益から法人税等及び法人税等調整額を差し引いた当期純利益は、前連結会計年度より2,767百万円減少し3,566百万円(前年同期比43.7%減)となりました。その結果、1株当たり当期純利益は48円37銭となり、当社グループの主要な経営指標の一つである自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度に比べ5.3ポイント低下し、6.0%となりました。

(4) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,242百万円減少し84,761百万円となりました。
 流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,129百万円減少し57,272百万円となりました。これは主に、現金及び預金が14,804百万円と前連結会計年度末に比べ3,253百万円減少し、たな卸資産が1,240百万円増加し26,594百万円となったことによるものです。固定資産は、有形固定資産や投資有価証券の取得等により前連結会計年度末に比べ887百万円増加し27,489百万円となりました。
 負債については、支払手形及び買掛金は材料調達により903百万円増加しましたが、未払法人税等が942百万円減少したことや、繰延税金負債が660百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,353百万円減少し25,757百万円となりました。その他、機動的な資金調達を考慮して前連結会計年度同様に36億円のコミットメントライン設定契約を締結しております。
 純資産は、利益剰余金の2,382百万円増加や、自己株式を1,169百万円取得したことなどにより、前連結会計年度末に比べ110百万円増加し59,004百万円となりました。この結果、自己資本比率は69.6%、1株当たり純資産額は803円14銭となりました。 

 

キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。